つい先日、常駐先のプロパーさんから「パーキンソンの法則って知ってる?」と尋ねられました。

すぐに思いついたのは『パーキンソン病』でしたが、正直に「分かりません」と答えました。

その後、解説していただいた内容が面白かったので軽くご紹介したいと思います。

パーキンソンの法則とは

Wikipediaによれば、イギリスの歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンさんが自身の著書の中で提唱した法則で、下記のような内容となっています。

第1法則

 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則

 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

Wikipediaより

第1法則に関しては特にITエンジニアにとって耳の痛い話かもしれません。

第2法則に関しては、だいたいの人に当てはまるかもしれませんね。

IT業界を前提としてちょっとだけ深掘りしてみましょう。

第1法則

第1法則

 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

Wikipediaより

読んでそのままですが、システム開発の現場ではあるあるネタとして紹介されそうなほど良く起こります。

よくあるケース その①

1人日で完了するようなタスクが2週間といった大量バッファーで引かれている。

最悪とまではいきませんが、見積もりが甘かったケースですね。

 

この場合、本来であれば1日で完了するものの、担当エンジニアはきっちり2週間で完了させてきます。

エンジニアの考えとしてはこうです。

ケース①におけるエンジニアの思考回路
  • 余裕があるのでゆっくりとタスクに取り組むことが出来る。(遅れることは無いだろうという安心に加えて脱力)
  • 簡単そうなタスクに見えるが実際はもっと考慮しなければいけないコトがあるんだなと考える。(疑念)

前者の場合はインターネットサーフィンやら何やらで無駄に時間を浪費する機会が増えます。

後者の場合は余計なことを考えてしまって本来は組み込むべきではない要素を追加したりして、最悪の場合は手戻りによる遅れが発生することも。

よくあるケース その②

適度なバッファーが組み込まれたスケジュールであっても、前倒しが発生することが無い。

システム開発現場でスケジュール前倒しが常に続くというのはなかなかありません。

 

中堅のエンジニアの割合に比例すると言っても過言ではないかもしれません。

実際のところ、私も新人の頃は簡単なタスクはさっさとこなして完了報告を上げていました。(最近はそんなタスクにあたることも少なくなりましたが…働き方改革のおかげでしょうか。)

ベテランエンジニア(年輩という意味ではなく、仕事が出来るという意味で)の場合は割愛します。

そもそもそれだけ仕事が出来る人に簡単なタスクだけが集まることは無いと思うので。

この場合のエンジニアの考え方としてはこうです。

ケース②におけるエンジニアの思考回路
  • 自身のタスクに遅れが発生しないのであれば問題ない。
  • 半端なタイミングで新たなタスクを割り振られて、キリが悪くなるのが気持ち悪い。

要は自己中心的に考えているわけです。エンジニアらしい考え方とも言えますね。

 

システム開発現場に第1法則が当てはまる理由

さて、ここまでよくあるケースとその場合のエンジニアの思考について述べてきました。

次に「なぜこんなことが起こるのか」を自分なりに考えた内容を述べたいと思います。

結論から言えば、IT業界の待遇や取引形態によるモノが大きいと考えています。

派遣契約の場合
  • 働いた時間だけ精算される取引形態である。
  • タスクを前倒しに進めた場合、契約上の稼働時間下限を満たさないケース(自社から怒られる場合も)が発生する可能性がある。
  • 遅れが発生したとしてもそれは残業代や超過として精算されるため、(大事な時間を失うものの)痛手と感じない。
請負契約の場合
  • 成果物に対して精算がなされる取引形態である。
  • タスクを前倒しに進めたとしても納品のスケジュールは変わらない。
  • 仮に納品時期を早めた場合、「見積もりが甘かったんじゃないの?」という理由で減額されることを恐れている。
  • 遅れが発生したとしても、損をするのは会社だけであって個人としては残業代として精算されるため、(大事な時間を失うものの)痛手と感じない。

待遇面に関して補足しておくと、「残業代で稼ぐ」という風習はそれほど改善されていません。

 

というのも、今の経営者層がその時代を生きてきた方々だからです。45時間に満たない超過は「それくらい」としか感じない上司も多いのではないでしょうか。

「残業代で稼ぐ」為には、残業の必然性が必要になります。つまり「遅れ」です。

システム開発現場が第1法則から脱却するためには

ここまで来ればどういった結論に至るのか、おおよそお分かりかと思います。

前項では会社間の取引に関しても触れましたが、結局はエンジニア一人一人をどう動かすかの問題です。

その改善策としては、「残業代で稼ぐ」必要性の排除です。具体的に言えば昇給です。(みなし残業代は働かなければ得をするシステムでもあるのでそのままでもいいかもしれません。)

極論ですが、エンジニアは「残業代で稼ぐ」為に意図的にタスクの遅延を発生させているわけです。(もちろん、本当に終わらないタスクもありますが。)

「残業代で稼ぐ」必要が無ければ少なくとも意図的に発生する遅延はなくなり、「前倒しで進めば残業せずに定時退社できる」という考えに至ると考えています。

そしてここに至って問題となってくるのが第2法則というわけです。

 

第2法則

第2法則

 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

Wikipediaより

第1法則の項ではエンジニアの「残業代で稼ぐ」必要性の排除が改善策であると述べました。

しかし、そこに第2法則を当てはめるとパーキンソンの法則の無限ループに突入するだけです。

パーキンソンの法則の無限ループ
  1. エンジニアは「残業代で稼ぐ」必要がある!
  2. エンジニアは「残業代で稼ぐ」為に手を抜いた! ← 第1法則
  3. エンジニアの「残業代で稼ぐ」必要性を排除した! ← 第1法則に対する改善策
  4. エンジニアの給料(収入)はアップした! ← 第1法則に対する改善策
  5. エンジニアの支出はアップした! ← 第2の法則
  6. 1.に戻る

うん、恐ろしい。

第1の法則だけであれば会社側が譲歩することで改善が可能でしたが、第2の法則は個人の変化が求められます。

ただし、収入と支出に関する問題って難しいんですよね。

初めて収入を得るのが早くて15歳とかでしょうか。そのお金との向き合い方って誰も明確には教えてくれません。

じゃあ私たちのお金に対する考えは何が元になっているのでしょうか?

色々な書籍を読むと分かりますが、『学校で習わないコト』に対する考え方は『生い立ち』で決まるようです。

つまり両親の影響を多く受けるのです。

これに関しては一度自分自身で振り返るほかありません。両親はお金をどのように使っていたのか。

節制に励み、何かの目標に向かって貯金を続けていた両親の元に生まれたのであれば、浪費しない性格となりますし、逆に浪費癖のある両親のもとに生まれれば自身も浪費癖の持ち主となる。

それを知ることで「あぁ、私は浪費癖があるんだ。気を付けないと」を戒めることが出来るのではないかと思います。

これから親となっていく人達はこの他にも、お金をはじめとする『学校で習わないコト』に対する自身の考えが子供に大きな影響を与えることを知っておくべきでしょう。

(私個人は非常に気を付けないといけないなとひしひしと感じている次第です。私によく似た子供になってしまったら大変です。)

まとめ

IT企業経営者の皆さん、ベースアップを宜しくお願い致します。

そして、エンジニアの皆さん。技術だけではなく人間力も向上させていきましょう。

以上です。

 

スポンサーリンク