学問のすすめ』、一万円札にも描かれている福沢諭吉の代表作ですね。

さて、この『学問のすすめ』に対して皆さんはどんなイメージを抱いているでしょうか。

学生時代の私はと言えば、「学問=国語算数理科社会」だと思っていたので「勉強の啓発書を読んでもなぁ…」と疎んじていました。

社会人になってからもその考え(学問=国語算数理科社会)は変わらず、「今更読んでも…」という感じ。

そんな私が今回『学問のすすめ』を読もうと思ったのは、「日本の事をもっとよく知りたい」というのが理由です。

ちょっと飛躍してしまったかもしれません。

流れとしては『日本を知る=日本の歴史(今の日本が成り立った根底)を学ぶ』、『日本の歴史を学ぶ=歴史に関する書籍を読む』、『歴史に関する書籍≒当時(学びたい時代)の書籍』といった構図です。

加えて、「お札に描かれている人物を全く知らないのって恥ずかしい事じゃないか…?」という思いもありました。

独身ではなくなったこともあってか、将来生まれてくる子供への教育を考えるようになり、「子供に聞かれて答えられない」様な父親にはなりたくないという必死な感じです。

「人生長い」と思う時もありますが、こと学ぶ事においてはそれでも足りないような感覚が日々増していきますね。

余談になりましたが、今回『学問のすすめ』を読むにあたっては原書ではなく現代語訳の書籍を選びました。

というのも原文をちらっと眺めたのですが、まったく理解できない!明治時代から学ぶにはさすがに時間が無かったので、優しい現代語訳で読み進めることにしました。

幸いにも歴史的名著なので現代語訳はたくさん出版されていますが、書籍によっては原文に続けて現代語訳という形式になっていたりもするので、購入する際は一度手に取って「自分が読みやすいかどうか」を基準にするといいでしょう。

ちなみに私が読んだのはコチラです。

先述した『原文に続けて現代語訳』というスタイルが好きではなかったので…。

『学問』に対する誤解

まずハッキリさせておきたいのが、『学問のすすめ』における『学問』は私が思っていたようなモノ(国語算数理科社会)ではないという事。

『学問のすすめ』における『学問』は実生活に役立つコトで、福沢諭吉は書籍の中でそれを『実学』と表現しています。

なので『学問のすすめ』とは、現代で言うところの「学校での勉強を頑張りなさい」という趣旨ではありません。

むしろ「学校の勉強を頑張ったところで…」という前置きがある様に感じさせられる部分もあります。

より『学問のすすめ』を理解するには

大体の人は知っていると思いますが、福沢諭吉は江戸時代から明治時代にかけての人物です。

その為、(『学問のすすめ』の中でも若干触れていますが)その時代がどういう時代であったかを前もって学んでおくと、より深い理解を得られると思います。

私自身は明治初期の歴史が苦手で、あまりその辺の時代背景に詳しくありません。

なので『学問のすすめ』を読んでいても「なかなか過激なことも言ってたんだな」と思うだけで、どういう背景があって福沢諭吉にそう言わしめたのかが後になってからでしか分かりませんでした。

逆説です。どういう時代だったかを知っておくことで、「この言葉にはこんな意味・背景があるんだな」と飲み下しやすくなると思うのです。

私が今回読んだこちらの書籍ではそういったことも踏まえて巻末に解説が用意されています。

「もっと解説してくれーーーーー!」と思うほどに解説にも学ぶところが沢山あります。これを機に明治初期を学んでみるのもいいかもしれませんね。

余談ですけど、明治時代って「自由」という単語が使われ過ぎてて、どれがどれだか分からなくなるのが私が明治時代を苦手とする理由です。

面白かったところ

個人的に面白かったところを抜粋しておこうと思います。

政府は国民知愚の反映

コチラは『現代語訳 学問のすすめ』の中で小見出しとして添えられている言葉になります。

意は以下の通り。

ちょうどわれわれ人民レベル相当の政府が存在し、人民に相応した政治が行われている

現代語訳 学問のすすめ』(岩波現代文庫) より

以前にも述べましたが、選挙活動や国会の場において与党を批判する姿の目立つ現在の政治の姿は、個人的に賛成できません。

ここでこの言葉を少し拡大解釈すると、現代のわれわれが人に批判を浴びせるばかり、あるいは権力者(職権であれ財力であれ)に対しての批判を良しとする人間だから政治もそうなっている、とも言えます。

…根深い問題に発展しそうなのでこの辺にしておきましょう。

祖国防衛の気概

コチラも『現代語訳 学問のすすめ』における小見出しです。

この説の中では以下の様に述べられています。

国家のためには、わが財産をなげうつばかりか、命を捨てることも辞すべきではない。これこそ国に報いる最高の道である。

現代語訳 学問のすすめ』(岩波現代文庫) より

日本の悪とされている概念に通ずるものがありそうですが、ここで私が言いたいことはまた別の事。

日本人って『祖国』という言葉をそれほど使わないですよね。

海外の映画を見ていると、日本語字幕であっても『祖国』というワードをよく目にします。

なぜ海外では自分の国を『祖国』と呼ぶのに対して、日本人が日本を『祖国』と呼ぶことが少ないのか。

なんとなーくですけど、これも根底には太平洋戦争の歴史が関係しているのかなと思っています。が、まだ知識が浅いので言及は避けておきます。

また、アメリカ人がアメリカ合衆国を愛するという事と、日本人が日本を愛するという事には大きな違いがあるのではないかと。

この辺も最近気になってアメリカの歴史やらに足を突っ込んでいますが、主義やら宗教やらが絡んできてなかなか理解が大変そうです。

最後に

重ねてになりますが、学問のすすめ』における『学問』とは『学校での勉強』を指すわけではありません。

今の時代であれば啓発書ともいえる内容となっているため、現代においては時代錯誤と評される箇所もあるかもしれませんが、それは時代を考慮して取捨選択すればいいだけの事で、読む価値は確かにありました

竜馬がゆく』や『坂の上の雲』もそうでしたが、幕末から戦前にかけての日本人の意志の強さとでもいうのでしょうか、そういったものを『学問のすすめ』からは、その根底にあったのはどういう考えだったのかという視点で感じることが出来ました。

昔は教科書にも載っていたようですが、私は見たことが無いので「せっかくだし載せればいいのに」と思うのですが、いかがでしょう。

ところで慶応義塾の学生さんは皆『学問のすすめ』読むんでしょうか。そんな疑問も浮かびました。

以上です。

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