新規感染者数が再び増加傾向にあるわけですが、周囲を見てもテレワークに移行するような傾向はみられません。
営業職やサービス業などの応対をある一定ラインまでしか抑えられない業種はともかくとして、IT業界でこれほどまでにテレワークが普及しない理由は何なのか。
まだIT業界経験3年と少しといったところですが、これまでの経験から考察してみました。
※本記事ではIT業界にターゲットを置いています。
余談になりますが、私自身のプロジェクトは業務効率の観点から特別待遇でテレワークが許可されました。
テレワークとは
大前提ですが、テレワーク=在宅勤務という認識が広く広まっていますが、それ以前まではニアショアといった意味でもテレワークが使われていました。
なので、個人的にはテレワーク=在宅勤務という構図に違和感があるので、タイトルの様な(在宅勤務)という書き方をしています。
本記事においては、以下テレワーク=在宅勤務とします。
テレワークが普及しない理由その①
今現在、企業経営や中間管理職においても担当しているのは、高度成長期ほどではないにせよ、サラリーマンとして勤務してきた方々です。
年輩の方に至っては「男は外で仕事、女は家で家事」という考えが根深く染みついている方がほとんどです。
ちなみに補足しておきますが、私自身はその考えを否定はしません。夫が妻を養うぐらいに稼げる方が、お互いにとって幸せだと思っています。
話が逸れましたが、職場で決裁権を持っている方々は「外で仕事」、つまり朝9時に出社して18時まで働いて帰るのが当たり前だったんです。
そして10年、20年、30年と続けてきたその当たり前をすぐに切り替えることが出来ないんです。
ここまでは容易に至るのですが、せっかくなのでなぜ切り替えられないのかを考察してみます。
切り替えられない理由その①
一つ目は、部下が目の届く範囲にいないと、管理や評価が出来ないと思っているコト。
具体的に言うと、オフィスという衆人環視の中じゃなければ社員はサボるんじゃないか、というコトです。
でもこれって会社という営利組織の観点としてはズレていると思うんです。
会社は営利組織である以上、何らかの成果(収益)を上げなければいけません。
極端な話、オフィスでサボらずに8時間働いて成果も出せなければ、目の届かないところでサボっていても成果を上げている社員の方が優秀と判断されるべきです。
しかし、実際はどうでしょうか。
オフィスで働いていてもそうですが、必ずしも成果主義ではありませんよね。
そもそも論になってしまいますが、IT業界においては明確な評価基準がほとんどないと思っています。
「下に人を付けて」なんて言う人もいますけど、どのレベルに達したら下に人を付けられるとかではなく、案件次第でしかないわけです。
案件が求めているメンバーが上級者のみなら、どれだけスキルを積んだ人でも、その人自身しか参画できない、とかね。
切り替えられない理由その②
二つ目は、耳が痛い人もいるかもしれませんが、会社にいるからこそ仕事がある、というケース。
少し前にはテレワークへの移行であぶりだされた「仕事をしていない人」というのもニュースに上がっていましたね。
こうした人たちが決裁権を持っている場合、テレワークへの移行で先述の通りあぶりだされてしまうわけですから、面白くありませんよね。
下手をしたら降格や降給となってしまう可能性だってあるわけです。
とりあえず出社して8時間イスに座っていれば働いているとみなされる仕事って何かおかしくないですか?
テレワークが普及しない理由その②
これはIT業界あるあるかもしれませんが、「セキュリティが~」というモノ。
一般のネットワーク回線に流れるのがマズいのであれば、オフィス同様にVPNを構築すれば済みます。
物理的なリスク(盗難など)に関していえば、オフィスも自宅もさほど変わらないのではないでしょうか。
すぐそばを出歩く人の数で言ったらオフィスの方がはるかにリスクが高いと言えるでしょう。
情報資産を狙って個人宅に侵入するって、どんなお屋敷ですか。
社員による情報漏洩のリスクももちろんありますが、日本人であれば誓約書一枚でそれなりに効力を発揮すると信じています。
そもそも、セキュリティ事故が起きやすいのって会社と家の間ですよね。その間の行き来を減らす事で抑えられるとは思いませんか?
テレワークが普及しない理由その③
最後に集団意識を挙げておきます。
これはメンバーではなく、リーダー層に当てはまると言えます。
メンバー個人は技術者なので「一人で集中してパソコンと向き合いたい」と思っている方がほとんどだと思っています。
私自身はというと、業務中の私語や非合理的な会話が嫌いです。会話するなら業務に必要な最低限で、というのが基本姿勢です。
そんな中でも忙しい時期などを共にすると、連帯感が生まれてくるのがチームです。
しかしリーダーはメンバーと同じ立ち位置にいるわけではないので、その連帯感からはどうしても一歩外側にいます。
それを役割と割り切って従事できる管理者がどれほどいるでしょうか。
多くは「メンバーと共に」という意識が非常に強いのではないでしょうか。
オフィスの中で同じ島にデスクを置いていればその連帯感の中に含まれているような気持にもなりますが、離れ離れとなってしまえば、感じるのは孤独感かもしれません。
どうか、甘んじてその孤独感に苛まれて頂きたいです。
まとめ
若干愚痴が混ざってしまったような気もしますが、まとめておきます。
- 従来のやりかたを厳密な成果主義へと変えることができない
- セキュリティに対する過剰な不安
- オフィス内で生じる集団意識
現状への批判が大いに強く、管理職の方には耳の痛い話かもしれません。
しかし、上記を踏まえて何とか改善しようと思わなくてもいいのです。
私が起業した際に、自社の強みとして売り出せますので。
以上です。
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