「日本のプロジェクトの7割は赤字」
そんな言葉をどこかで聞いた人が私以外にもいるかもしれません。
赤か黒かというコトに関しては、会社全体として考えれば大したことではないので置いておきますが、プロジェクトの進行がうまくいっているかどうか、という点に関してもこの割合は概ね適合すると考えています。
残業もいっぱいして働いてるのに、終わりが見えない。大抵の人は少なからず経験していることでしょう。
実はこの状況、リーダーが原因であることがほとんどです。むしろプロジェクトがうまくいかないのは全てリーダーの責任です。
しかし、日本の企業全体を見てもこうした事態を防げる「優秀なリーダー」というのは希少と言って間違いないでしょう。
私自身の経験でも、明らかに緩いプロジェクトを除いては、「優秀なリーダー」と言える人物に出会ったのは1回きりです。
なので、大半のプロジェクトでは「優秀ではないリーダー」の元で仕事を進めていかなければなりません。
そしてその「優秀ではないリーダー」によって残業や休日出勤といった被害を被るのは、メンバー個人です。
もちろんそのリーダーも最終的には何らかの処分が下ることもありますが、プロジェクトが進行している中で実害をモロに受けるのはメンバーというコトです。
そのような現場で無駄に摩耗してしまわないためにも、メンバーは自分の身を守る必要があります。
今回はそのようなケースでメンバーがとるべき行動をいくつか紹介します。
最初にとるべき行動
まずはプロジェクト全体をよく見渡してみることです。
最短ルートであれば、他のメンバーはどれくらい現状に不満を持っているか、もう少し範囲を広げれば、リーダーの上司はリーダーに対してどのような印象を持っているか、などです。
リーダーは一メンバーの言うコトだけでは何も変わりません。味方が必要になります。
後述する行動に移るためにも、自分の味方となりそうなメンバーや上司を見分けておく必要があります。
味方候補を見つけたら
味方となり得るメンバーを見つけたら、まずはその人とコミュニケーションをとりましょう。
同じプロジェクトであれば少なくともプロジェクトに関する話は共通の関心事になり得ますので、そこからそのメンバーの共感を引き出しましょう。
リーダー直下のサブリーダー的存在がそれなら一番いいのですが、縦社会の日本企業内部ではコバンザメのような人種もいるので、この味方となり得るメンバーを選定するのはかなり重要です。
味方をつけたら
そのメンバーが味方に付いたら後は行動あるのみです。
その味方と共にリーダーの元へ行き、自分の要望を伝えます。
自分の要望と書きましたが、プロジェクトが管理されていない事への不満をぶちまけるわけではありません。
あくまで管理されていないプロジェクトを無理やりにでも管理させるのです。
管理されていないプロジェクトというのは、リーダーがハッキリしないことによるモノが大きいです。
その為、ここではリーダーに決断を迫る必要があります。
ただし、リーダーは自分が考えて判断した結果が失敗に終わることを非常に嫌いますので、判断する材料はメンバーから提示する必要があります。
なので終わらないものはハッキリ「コレコレこういう理由で終わりません」と理由を添えて言うことが肝心です。
このタイミングでコチラが一人だった場合は「何とか頑張ってみてよ」と曖昧に返されるのがオチですが、味方を付けることにより「少なくともメンバー複数人の共通認識である」と思わせることが出来ます。
さらには提案も添えていくといいでしょう。
私がよく使うのは「この期間でこれをやろうとすると、後々修正規模が大きくなる(あるいは、他のメンバーの遅延にもつながる)ので、次のタイミングでやるべき」あるいは「これは緊急度が高いので、今抱えているタスクを後ろに回してでも先に取り組むべき」といった感じです。
仮にこれが通らなかった場合に「では、手戻りが発生する覚悟で進めていいんですね。その分はリスケしてくださるんですね。」と言ってしまうのが私の悪いところかもしれませんけどね。
最終的に、判断の責任をリーダーに負わせるのが目標です。
それでもダメな時は
リーダーが判断する責任を完全に投げ出している場合は、二通りの対処があります。
まず、リーダーの上司がリーダーを過剰にひいきせず、「優秀な」上司である場合にはその上司に駆け込むことです。
この場合も味方を付けていくことが望ましいですが、最終的にリーダーとの仲は良い方向へは進まない事の方が多いので、その関係をぶち壊してでも改善しなければ死人が出るといった状況でカードを切るといいでしょう。
もう一つが、自身も責任を放棄してしまうことです。
「どうしようもないリーダーに色々アクション掛けてみたけれど、全然改善の見込みがない。私はやれることはやった。もうどうとでもなれ。どうせ責任は私じゃなくリーダーにあるんだから。」
この場合はリーダーと衝突することが無くなりますが、自身への別な負担は一向に改善されないことになります。
私もある程度は言いますが、見切りをつけるのは早い方で、その場合はすぐに淡々とこなすだけの作業者に早変わりします。
そんなときの心の持ちようとしては、責任感なんて一切捨ててしまうことです。
案外そっちの方がうまくいく場合もないわけではありません。
まとめ
- プロジェクト全体を俯瞰して、不満を抱いているメンバーを見つける
- 不満を抱いているメンバーを味方に付ける
- 判断材料と自身が望む結果を用意し、リーダーにその判断を迫る(味方と共に)
- リーダーへのアクションで何も変わらない時は
- リーダーの上司に直訴する
- 全ての責任を放棄する
「上司をうまく扱う為には、まずは仲良くなること」みたいな甘っちょろい事が書かれている書籍などもありますが、会社は仲良し集団ではありません。
本来の姿は利益を上げるための合理的な組織です。
ましてやプロジェクトという単位であれば、その必要性により一時的に集まった人達に過ぎません。
仲良くやりたいならまずはその合理性を保ってからではないでしょうか?
以上です。
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