システムエンジニアから営業に転職してみて分かった3つの違い

同じ職種に長く勤めていると企業風土に染まったりして、その仕事内容を客観的に捉えるのが難しくなっていきます。改善可能な不合理に気付かなかったり、ね。

私はこれまでに数回の転職を経験したために、成り行きでシステムエンジニアと営業という職種に関して客観的な視点を持つことが出来ました。

その結果、一周回ってIT業界への復帰を果たしたのですがその話は割愛させて頂くとして、本記事では私が感じたシステムエンジニアと営業の違いについて紹介していきたいと思います。

合理と不合理

システムエンジニアと営業職の違いで一番大きなものが、合理性の違いです。

IT業界の中では生産性という言葉がよく引き合いに出されますが、言う割に「生産性を高める」ことを徹底していないケースが非常に多いです。

もっと言えば、「生産性を高めよう」と口にしている上司の無駄話のせいで、会議が無駄な時間へと変わる事も決して珍しい事ではないでしょう。

開発をしていても、手戻りが発生すると分かっていながら進める場合もあります。合理性という観点でシステム開発の現場ほどカオスな状況は他にないかもしれません…。

対して営業職というのは非常に合理的な考え方をします。売り上げにコミットしない行為は全て無駄であり、売り上げにコミットする行為をいかに効率的に進めていけるかに注力します。

やはり給料が固定で支払われるぬるま湯につかっていると、脳が合理的な判断をしにくくなっていくのかもしれませんね。営業は自分の実績が明確に出て、それが給料に反映されるのですから。

退職の流れも違う

合理性の違いに触れたところで、それによって差が出る退職のエピソードを挟んでおこうと思います。

まずシステムエンジニアの場合ですが、退職にはある程度の期間が必要になります。客先常駐であれば交代要員の補充の目途が立った段階や、有給消化分などがその理由です。

対して営業職の場合はというと、うまくいけば「辞めたいです」と相談してから次の日には辞められる場合もあります。

後述する理由も大きく影響してくるのですが、営業の現場では(大げさに言えば)利益を生まない人間は不要なので、すぐに切り捨てるという思想に行き着きます。

もちろん、進行中のプレゼンなどがあれば引継ぎは面倒になったりもしますが、システムエンジニアほどの期間を必要とせずに辞めることが出来ます。

(引継ぎ以外にも理由を付けて長い期間留め置かれた場合は、その企業がブラックな可能性もあるのでご注意ください。)

時間の量と質

システムエンジニアの中で派遣契約の下で働いている方であれば常々感じている事かと思いますが、システム開発の現場では「何をやったか」よりも「どれだけやったか」が評価される傾向があります。

「残業している奴ほど頑張っている」というあの謎の理屈もこれが原因です。残業がなぜ発生するのかを忘れているではありませんか。という話はさておいて。

対して営業職というのは「何をやったか」が評価されます。

例えば3時間アポ架電を行ったとして、システムエンジニアなら「3時間お疲れ様」で終わりですが、営業職の場合はアポ取得が1件なら「この時間かけてこれだけか?」となり30件なら「凄いじゃないか!」となるわけです。

余談になりますが、この「何をやったか」を評価できるシステムが構築されていないコトがテレワークへ移行する際の障害となる可能性があります。人事だけではなく中間管理職の方々には頑張って悪しき風習から脱して頂きたい。

叱咤激励

システム開発の現場で褒められるという事はほとんどありません。仮にあるとすればエンドユーザーと直接やり取りできる場合のみですが、むしろ怒鳴られたり難詰されたりすることの方が多く、「こいつ意地悪いなぁ」なんて思うコトもしばしば。

対して、営業職でも相対するお客様の中には意地悪な方もいますが、職場に限って言えば褒めてくれる人の方が多いです。もちろん、褒められるには達成すべき指標があり、その分厳しい人もいますが、飴と鞭はしっかりしているという感じでしょうか。

この飴と鞭が営業職の方々は非常に上手で、部下のモチベーションさえもコントロールしてしまいます。しかしシステム開発の現場では飴なんてものは存在せず、モチベーションは下がる一方でしかありません…。

もしかすると飴だけが無いか、あるいは飴も鞭も無いというのが適切かもしれません。

まとめ

システムエンジニアから営業に転職してみて分かった3つの違い
  • システムエンジニアは不合理、営業は合理的である。
  • システムエンジニアは時間の量を、営業は質を評価する。
  • システムエンジニアは滅多に褒めず、営業は適度に褒める。

今回はシステムエンジニアから営業に転職してみて分かった3つの違いについて紹介しました。

こうしてみてみると、いかにシステムエンジニアという職種がストレスフルな環境なのかが分かりますが、だからと言ってシステムエンジニアが営業よりも働きにくいかというとそうでもありませんので、誤解なきよう。

この2つの職業に関しては交互に経験してきたこともあり、他にも比較すべき部分がいっぱいありそうなので、後々記事にして行けたらと思っています。

システムエンジニアから営業へ、あるいは逆の転職を考えている方の参考になれば幸いです。

以上です。

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