炎上プロジェクトでも「抜けたい」と思わなかった3つの理由とは?

ずっと前の事ですが、こんな記事を見つけました。

この記事を見つけた当時はいわゆる炎上プロジェクトに参画しながらも(それなりの仕事はしていたと自負しているのですが)給与は変わらずこき使われておりました。

朝9時から働いて定時は夜20時(決まりではない、例えのお話。もちろんそれでも『残業』が発生する)と言うなかなかの炎上っぷりでしたが、不思議とエンジニア本人の意向でプロジェクトを離脱した人はいなかったように思われます。

かくいう私も参画から11か月ほどでプロジェクト完了を待たずに退場となりましたが、特に抜けたいと懇願したことはなく、最終的にその決定を下したのは私の上司でした。

結果としてはそのプロジェクトを抜けたことで結婚の準備に時間を費やすことが出来たわけですが、婚姻届の提出まで終えた今となっては半年先の結婚式さえ都合がつけられれば再度参画しても構わないとさえ思います。

IT業界に長くいらっしゃる方であれば幾度となく炎上経験をされてきたと思いますが、炎上するのが初めての、しかもゆとり世代である私がなぜそんなプロジェクトに居続けられたのか、そして抜けたいとも思わなかったのか自分なりに振り返ってみようと思います。

理由その①~成長を実感できた~

炎上プロジェクトと言うのは総じてリソースが足りません。ここでいうリソースとは人手・時間・予算全てです。

先述したリソースはどれかが欠けてしまうと、他のリソースで埋め合わせをするのが常です。

人手不足を例に挙げてみましょう。

プロジェクトには難しいタスクから簡単なタスクまで様々なタスクが存在し、中にはあるタスクを終えないと着手できないタスク、なんてのも存在します。

難しいタスクは(余程スケジュールに余裕がない限り)「出来る人」から振られていくと思いますが、スケジュールとの兼ね合いで難しいタスクを複数同時に着手していかなければいけない場面が出てきます。

そうした場合、既に「出来る人」は他の難しいタスクを割り振られているため、「出来る人以外」に難しいタスクが割り振られることになります。

順風満帆のプロジェクト運営であれば、本来割り当てられるはずのなかった難しいタスクが割り当てられる。

少し前の私ならば「なんでそんなタスク俺に振るんだよ…」とか思っていたかもしれませんが、その当時は「成長のチャンスだ」とポジティブに捉えることが出来ました。

もちろん、参考となる資料も少なく手探り状態で進めたために、レビューで半端じゃない量の指摘を受けることになったわけですが…。

それらの指摘も本来であれば受けるはずのなかったものですが、その当時の自分に出来る範囲とその改善点がそこに集約されているわけで、成長への近道を示してくれたように思いました。

プロジェクトメンバーの中でも下っ端だったことも幸いしてか、それらの指摘を素直に受け入れられたことでより広い視野を持つことが出来るようになりました。

それらの成長を実感することになるのは、新たにメンバーが参画してきた時です。

基本設計から参画していた場合、詳細設計からたとえ20歳年上のメンバーが参画してきても、そのメンバーに対してプロジェクトの説明をしなければいけません。

新人が入ってくる場合は別ですが、自分よりも経験豊富な人がメンバーとして参画してくる場合、予想もしないような質問が飛んでくるときがあります。

そんな時でも質問された内容を把握し、影響する箇所にも考慮を巡らせ、最適だと思える回答を出来た時、とてつもない成長を感じられることが出来ました。

理由その②~収入が増えた~

多分これが一番大きな理由です。

炎上プロジェクトなので残業時間が必然と増え、残業代を生活費の足しにすることが出来ます。

ただ、気を付けなければいけないことは、長時間の労働になるにつれて出費も増えていくということです。

例えば残業時間帯の缶コーヒーやタバコ、カップラーメンをはじめ、残業によるストレス解消の為の飲み代。

終電を逃すまで仕事をしなければいけないにもかかわらず、タクシー代が清算できない、なんて方もいらっしゃるかもしれません。

そんなこんなで残業代はプラマイゼロになってしまう可能性もあります。ここで言う「増えた収入」と言うのは「出張手当」の事です。

その当時の案件はニアショアで開発していたのですが、プロジェクトがスケジュール遅延のまま進むにつれて、即時対応を求められる機会が増えるようになりました。

そんな中で常駐先の上長が最終的に下した決断が、プロジェクトメンバー全員(と言ってもその当時にはピーク時の半分くらいでしたが)での短期出張でした。

プロジェクトメンバーは当時ほぼ独身だったのですが、それでも生活拠点が変わること、加えて年末ギリギリの決定となってしまったために、条件面は可能な限り融通する、と常駐先の上長からお言葉を頂きました。

結果として1日当たり2500円の日当を頂くことが出来ました。月の営業日を22日と計算した場合、1ヶ月働くだけで5万5000円ほどの臨時収入を得ていたわけです。

もちろん生活用品を一式そろえないと生活もまともにできないため、それなりの出費はあります。

しかし、ここも炎上案件のいいところなのか休日出勤がざらに発生します。そうなれば営業日数が増え、臨時収入は月5万5000円を超える可能性もあったわけです。

私はこの臨時収入のお陰でストレス発散にお酒を飲んだり、スーツを一着買うことが出来ました。

冒頭で紹介した記事の中でも、メンバーの給与を上げることが使命であると述べられていましたが、やはり収入が増えると時間がない中でも十分なストレス発散により、充実した仕事生活を送ることが出来ましたね。

余談になりますが、大学生時代に一度だけ短期アルバイトでとある企業の経営者さんと、丸二日行動を共にさせて頂く機会がありました。

人とお金、どっちが大切?

夜、飲み会の席で言われた言葉です。この質問に対して幼い私は「人」だと答えました。その回答に対してこう言われました。

じゃあ明日からはお金を払わないから、私のために働いてくれるか?

衝撃的でしたね。今ではビジネスの世界に身を置いているのでよくわかります。

私の場合はこれをどのようにとらえたのか、自分の思うようなお金の動きが生まれない場合はすぐにその場を離れるようになってしまいました。要は対価として安いと考えたらすぐに退職するような人間に。

そんな人間でもプロジェクトに居続けられたのですから、やはりお金は大きな原動力になりますね。

理由その③~コード会話バランス~

ワークライフバランスみたいに言ってみました。

人間と言うのは不思議なもので、ストレスを感じる場面があるとその矛先を何かに向けてしまうようです。

炎上プロジェクトですからメンバーそれぞれがストレスを抱えていたのですが、向かう矛先が同じだったことで自然と連帯感が生まれます。

どちらかと言えばネガティブな連帯感ではありますが、その場限りではメンバー間でのストレス発散が可能となるため、プロジェクトに対するフラストレーションが爆発することは少なかったように思います。

吐き出せる先があるって大事ですよね。基本的には私がその吐き出される側にいたんですけどね。

スケジュール遅延のリカバリの為に、ガリガリとコードを書かなければいけない状況ではありましたが、メンバー間でのコミュニケーションが密に取れたことでストレス発散を挟みながら、情報共有は素早く行えたのでスムーズに進められることが出来ました。

まとめ

炎上プロジェクトでも、「抜けたい」と思わなかった3つの理由
  • 炎上プロジェクトではより高いハードルに挑戦することが出来るため、成長につながる。
  • 炎上プロジェクトでは普段よりも少し稼げる。
  • 炎上プロジェクトではメリハリの付いた仕事をすることが出来る。

炎上プロジェクトではいろいろな面で勉強になることも多いですが、もちろん負担がかかります。なのでおススメはしません。

まぁ、自ら飛び込まなくても巻き込まれるときは巻き込まれるので覚悟してください。

とまぁ、いろいろ書いてみましたが数日間に分けて作成したので文章にまとまりがないかもしれませんが、ご了承ください。そのうちリファクタリングします。

以上です。

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