新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中ではありますが、久しぶりの外食で焼肉食べ放題に行ってきました。
食べ放題そのものはまだコロナの影響が少なかった2月のしゃぶしゃぶ以来およそ半年ぶり、焼肉食べ放題は実に5年ぶりです。
別に食べ放題が嫌いとかそういうわけではなく、私にとっての外食は「家で作るのが面倒なモノを食べたい」と思ったときや、これまでに食べたことがあるお店の「あの味が食べたい」と思ったときくらいというだけです。
つい先日までは。
『味覚』の定義
先日利用したそのお店の名前は(気付く人は気付くと思うので)明らかにしないでおきますが、席に案内されるまで待合スペースで店内を見まわしていたところ、とある看板(?)が目に入りました。
そこには『味覚』に関する記載があったのですが、(私の記憶に誤りが無ければ)その中で味覚の一つとして『辛味』が存在するかのような文言に、学生の頃から「辛味という味覚は無く、それは痛みである」と教わってきた身としては違和感と言いますか疑念を抱かずにはいられませんでした。
もちろん、一般的な概念を指すのに『辛味』という言葉を使うには私も反対しません。
しかしその看板を見るのは食べ放題を利用する客層、すなわち子供のいる家族連れか若者同士のグループであり、それらの層に向けて誤った情報を発信することにはならないだろうか、という心配です。
誰かがその文言を鵜呑みにしたときに、隣にいる親あるいは知人が「いやいや、味覚の一つとして辛味があるように書いてるけど、辛味という味覚は無くて、それは痛みなんだよ」と訂正できれば何も問題は無いのですが…。
生れて初めて見た質のお肉
その看板に引っかかるところがありましたが、席へ案内される番になったので頭を食事に切り替えました。
食べ放題はどうしても時間が惜しく感じてしまうので、席についてすぐさまいくつかの注文を出し、待つこと数分でお肉が運ばれてきたので早速焼こうとしたところで、衝撃を受けました。
お肉を焼くためのトングでお肉を持ち上げようとしたところ、お肉が千切れたんです。
余りの驚きに言葉を失ってしまいましたが、「ここの肉、大丈夫なのか?」と思わずにはいられませんでした。
え、私だけですか?
とりあえず「解凍した肉だからそういうこともあるだろう」と思い直して焼き始めるも、ひっくり返す際にもボロボロになっていくお肉。
里中李生さんがその著書の中で仰っている『激安の店』の恐ろしさを実感した瞬間でした。
食べ終わった後の疲労感
品質を疑いながらも、お金を払うことが確定している以上、食べるしかありません。
残りの席時間を横目にトングと箸を進めます。
最終的に席時間終了10分前に注文したお肉を食べきれずにギブアップ。情けない話ですが、一番最後に来たのが脂たっぷりのお肉で吐きそうになってました。(あと2杯もご飯を注文したのが失敗でした)
満腹の状態で車を運転して帰宅し、寝る準備をしようと思いながらも苦しくて動けない私と妻。
その瞬間に「食べ放題はダメだ」「食べ放題で損をしている」「『腹八分目』が一番おいしく食事を頂ける」などなど様々な思いが頭をよぎりました。
食べ放題がダメな理由その① 時間制限
食事とは、古来は本能に由来する生きる為の行為でしかなかったのかもしれませんが、モノにあふれている現代では楽しむものであるはずです。
それなのにもかかわらず、まるで仕事の様に決まったタイムリミットの中で食事をしなければならないというのは、どうにもおかしな話ではないでしょうか。
楽しむべき時間のはずなのに、その時間に自ら制限を課し、そして自身に(食べなければという)強迫観念を生んでいるのです。
食べ放題がダメな理由その② 注文し放題
一定の金額を支払う以上、「元が取れるように」と考えてしまう人はきっと私の他にもいるのではないかと思います。元が取れるだけ食べたら、それ以降食べるモノは「むしろ得している」気分にもなるでしょう。
その結果、食べられるだけ食べ、満腹になります。
私は同世代と比べても食べる方(大学時代のMAXは一日当たり六千キロカロリー)だったので、先日までずっと「満腹まで食べなければ気が済まない」「『腹八分目』なんて勿体ない」と考えていました。
しかし久しぶりに満腹になるまで食べてみて、「これはいかん」と初めて感じました。
先日の私たち夫妻の様に、食後の動きが鈍くなるだけでなく、翌日の体調にも大きな影響(主にお腹を壊したり)が出ます。それだけでどれほどの時間を無駄にしているかと言ったら…。
最後に
その後、妻には私の方から「食べ放題は、(子供が行きたいと願わない限り)もうやめよう」「中程度以上のお肉を普通に注文して『腹八分目』に収めるのが一番幸せだ」と告げました。
妻は田舎育ちの私と違って都会っ子なので、食べ放題に通い慣れている分ちょっと不思議がられましたが、とりあえずは納得してもらえたと思っています。
散文になってしまいましたが、最後に里中李生さんの著書から引用させて頂き、終わりにします。
激安回転寿司は不味いから、満腹にならないと気が済まないというわけだ。
里中李生『男はお金が9割』より
そう言えばいつぞやもキャッチの紹介で入った居酒屋で最悪な思いをしたなぁ…。
以上です。
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