『プレイングマネージャー』という言葉をご存じでしょうか。

『選手兼任監督』と言うとしっくりくる方も多いかと思われます。

管理職としての仕事はもちろん、現場の仕事もこなすことが出来る優秀なビジネスマンはどこの業界、どの会社でも欲しいと思われる人材でしょう。

しかし、私のいるIT業界では現実問題として『プレイングマネージャー』の存在は火種となりうるのではないかと思います。

IT業界の管理職

IT業界には大別して2種類の管理職が存在します。本題に入る前にちょっとだけ紹介しておきます。

生え抜きの管理職

現場でのシステム開発を経て、順当に出世して昇りつめたタイプです。

生え抜きの場合は面倒なことにさらに細かく分けることも出来ます。

仕事が出来るタイプ

現場でのスキルを認められ、どんどん下に人がついていくことでマネージャーの立場に押し上げられたタイプです。

製造のスキルは認められつつも、その他にこなさなければいけない仕事をたくさん抱えることが多いため、純粋なマネージャーと言えます。

仕事が出来ないタイプ

現場で高く評価されるようなスキルを持ち合わせていないにもかかわらず、口が達者なことで上手に世渡りしたタイプです。

元々のスキルがそれほどでもない割に楽観視する傾向が強いです。

私個人としてはこのタイプが一番『プレイングマネージャー』に多いのではないかと思います。

現場を知らない管理職

下手すると『仕事が出来ない生え抜き』よりも迷惑極まりないのがこのタイプです。

プロジェクトが正常に回っているのであれば特段問題もありません。

しかし、プロジェクトが火を噴き始めてくると、社内評価を気にして介入してきます。

介入してマネジメントをそつこなせるようであれば問題は無いのですが、現場を知らない分「どう動くべきか」の認識が現場の認識とすれ違うのが常です。

結果としては『燃料投下』以外の何物でもありません。挙句の果てには「現場が悪い」と喚きだすことも…。

プレイングマネージャーがネックになる瞬間

IT業界の管理職(いわゆるマネージャークラス)について先述しましたが、現場のリーダークラスであれば実作業からメンバーの管理まで求められることが普通です。

では私が「火種となりうる」と思う『プレイングマネージャー』とは何なのか?

それは、エスカレーション先の無い『プレイングマネージャー』です。

具体的には
  • 会社のトップが『プレイングマネージャー』のケース
  • システム開発に携わることの無い上司を持つ『プレイングマネージャー』のケース

エスカレーション先が無いということは、逆に言えばエスカレーションの終着点であることも意味します。

よって、一つのエスカレーションに対してのレスポンスが非常に遅くなるだけではなく、抱える作業の遅延が発生する可能性が高くなります。

『プレイングマネージャー』がタスクを抱えている場合、そのタスクはクリティカルパスである可能性が高く、スケジュール全体への影響を及ぼしかねません。

仮にそうではないとしてもクリティカルパス上のタスクを持つメンバーからのリクエストに対するレスポンスが遅れることでスケジュール全体へ影響することになります。

私見

IT業界に長居して「プログラミングが嫌い」という方はほとんどいないと思います。

けれども、会社という組織で役職が上がっていくにつれてシステム開発に実作業者として携わる機会は減ってしかるべきと考えます。

『業務効率化』と言えば聞こえがいいですが、それを達成できる人材なんてそうそういません。

『燃料』を反面教師として、自分が昇りつめた時の立ち振る舞いに関しても徐々に考えておいた方がいいですね。

以上です。

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