システムエンジニアという仕事柄、というわけではなく単に高グラフィックのゲームをやっていた時期があるからかもしれませんが、パソコンのスペックにはそれなりに注意を払います。
システム開発を行っていくうえで、ゲーム程のスペックを要求されることはありませんが、それでもかなりのスペックが求められていることは疑いようもないでしょう。
特に統合開発環境と呼ばれる、開発に役立つツールが沢山盛り込まれた環境を起動させれば、それだけでタスクマネージャーが良い数値を叩き出してくれます。
さて、前置きはこれくらいにしておいて、一般的なシステム開発に使われる開発PCには不要と思われるグラフィックボードを積んだ方がいいと思う理由をご紹介していこうと思います。
一応補足しておくと、エンジニアに限らず一般の方でもデュアルディスプレイ環境をお考えの方にも参考になるかと思います。
開発PCにグラボを積むべきただ一つの理由
それは、省スペースかつ無駄なものを省くためです。
ちょっと抽象的過ぎましたね。どんな目的を達成するためにグラボを積むのか。
それは高解像度のディスプレイ、とりわけ数年前から家電量販店でも散見されるようになったワイドディスプレイを使用するためです。
23型ワイドとかそんなもんじゃないですよ。↓これぐらいのワイドな奴です。
ワイドディスプレイのメリット
「いきなりそんな高額商品出されても…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、コスパという面では決していいわけではありません。
それでもなお私がワイドディスプレイをお勧めする所以を挙げていこうと思います。
メリットその① 省スペースである
一見すれば「は?」という感じかもしれません。
しかし考えてみてください。2台のディスプレイが1台のディスプレイで事足りるという事は、それだけケーブルの数が少なるという事。
これで少なくとも電源ケーブルとディスプレイケーブルそれぞれ1本ずつが減りましたね。
次いでデュアルディスプレイの場合は2台のディスプレイを配置する為、ディスプレイを支える脚も2本必要でしたが、1本に統合されました。
これだけでもだいぶデスク回りがスッキリするとは思いませんか?
仮に模様替えや席替えという事態を迎えても、これまでのデュアルディスプレイ環境での作業量の3分の1程度を減らすことが出来ます。
メリットその② 画面を有効活用することが出来る
デュアルディスプレイの場合、どれだけナローベゼルであっても、どうしてもディスプレイ間に空間が生まれてしまいます。
それがワイドディスプレイでは全ての画面がつながっているため、様々なウィンドウを好きな箇所に配置して使用することが出来ます。
デュアルディスプレイ環境でそれぞれフルスクリーンにして使用していた、だから一つの画面に大きなウィンドウを二つ配置するのは面倒、なんていう方はいませんよね…?
Windows10であれば(Win7でも同様の機能がありましたが)「Windowsキー+方向キー」でウィンドウをディスプレイ内の右半分・右上半分のように表示を切り替えることが出来ます。
つまり、デュアルディスプレイでそれぞれフルスクリーンでの使用をしていた人は、一つのウィンドウで「Windowsキー+←キー」を、もう一方のウィンドウで「Windowsキー+→キー」を押せば、すぐに見慣れたレイアウトを、しかもシームレスで表示させることが出来ます。
上記状態であればウィンドウの境界部分にカーソルを当てると、サイズ変更用の両方向矢印が表示され、これを動かすと両方のウィンドウのサイズを相対的に変更することが出来ます。
開発者のほとんどは左側をメインにすると思うので、左70%をIDEに、右30%をブラウザに、なんて使い方も出来てしまいます。
何はともあれ、デュアルディスプレイ環境に慣れてはいたが実はずっと気になっていた「それぞれ別の画面」という枠組みから抜け出して、より快適に作業を進めることが出来ます。
ただし、これはやはり使ってみないことにはその快適さに気付きません。
ワイドディスプレイのデメリット
メリットばかりでは終わりません。ちゃんとデメリットの部分も話しておこうと思います。
デメリットその① 全体的にコストが高い
デメリットはこの一言に尽きるかと思います。
大前提として、ワイドディスプレイを最大限活用するためにもそれなりの解像度に対応したグラフィックボードと、その解像度を伝送できるだけのケーブルが必要になります。
一番最初にご紹介したディスプレイの解像度は「3840 x 1600」ですので、おおよそ4K対応の機器がそれぞれ必要になります。
4K対応のグラフィックカードに関しては以下の記事が参考になるかと思います。
テレビの地上波デジタル放送は1画面を横1440ピクセル、縦1080ピクセルで表現していますが、4K対応モニターは横3840ピクセル、縦2160ピクセルと、1画面でより高密度の映像を表示することが可能です。すでに最新のPC用ゲームの多くは4Kに対応しています。より高画質でゲームを楽しむために、4Kモニター用のグラフィックボードの導入を検討されている方も多いのではないでしょうか? ゲームのほかにも、4K対応Blu-rayの視聴や、動画の編集など、その用途は多岐にわたります。こちらでは、4Kモニター用のグラフィックボードのおすすめ製品を用途別に紹介していきます。
安いモノでは1万円程度ですが、安いディスプレイ1枚と大して変わらない金額ではありますね。
ケーブルに関しては4K対応製品が数多く出品されるようになったので、Amazonなどであれば安く手に入れることが出来ます。
その他費用が掛かる項目としては電源ユニット。
グラフィックボードの利用にはデフォルトの電源では不足することもあり、600W程度の電源ユニットをオプション購入する必要性が発生することもあります。
グラフィックボードの選択時には気を付けておきたい点ですね。
最後に、肝心要のディスプレイですが、冒頭でご紹介したディスプレイはほんの一例で、少しサイズと性能を落とせばディスプレイ2枚分程度の金額で購入できる商品もあります。
まとめ
- パソコン周辺のケーブルの煩雑さを軽減することが出来る。
- 1枚の画面であることで、フレキシブルに利用することが出来、快適に作業できる。
- ただし、大前提であるグラフィックボードを導入することにより多少のコストが上積みされる。
ディスプレイが2台あることで秘密基地感が増す、というメリットもありますが、1枚の巨大なディスプレイを用意した方がスマートじゃないでしょうか。
個人的には曲面であるという点でも使いやすいな~と感じています。
ゲームの場合にはウィンドウサイズにしないとプレイしづらいと感じることもあったりと、どちらかというとゲーミングモニターというよりもデベロッパー向けのモニターのような気もしてきましたよ。
以上です。
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